テクノロジー

©getty-images
#sustainability

ゼロ・エミッションの未来への道

時間を読んでいる分
Tags:
今日、世界はCO₂排出の削減を迫られています。モビリティも例外ではありません。ZFのテクノロジーがどのように排出を削減するか、6つの例を見てみましょう。
Martin Westerhoff, 4月 10, 2018
author_image
Martin Westerhoff マーティン・ウェスターホフはテクノロジーのジャーナリズムを研究し、以来、車両とテクノロジーについて執筆しています。モータースポーツとレーシングカーをこよなく愛します。
ゼロ・エミッションは不可能な課題にも見えます。多くの国で経済が成長を続け生活水準が上昇していますが、気候変動にもブレーキをかけなくてはなりません。2015年~2040年では、世界のエネルギー消費だけで28%の成長が見込まれており、運送業界ではエネルギー需要がさらに30%拡大すると考えられます。また、最新の『International Energy Outlook 2017(2017年世界のエネルギー見通し)』調査は、CO₂排出が毎年0.8%増大すると予測しています。この調査によると、2040年までの時点で、化石燃料はまだ需要の77%を占めるとされています。英国の著名な経済学者でありエネルギー政策の教授でもあるディーター・ヘルム(Dieter Helm)は、楽観的な見解を示しています。彼によれば、技術の進歩によって、石油、ガス、石炭の埋蔵量が枯渇する前に化石燃料が過剰になるとされます。ヘルムは、電気を将来のエネルギー資源とみなし、輸送の電動化は革命であると考えています。

多様なエネルギー資源の組み合わせ

一方で専門家は、将来に100%のEモビリティが実現するかどうかについては懐疑的です。デビッド・ボーテ(David Bothe)博士は、内燃エンジンやヒーターなどのすべての既存のエンジンやターミナルユニットを電力消費装置に切り替えることは多くの国では経済的観点から賢明な選択ではないという考えを支持しています。コンサルティング企業Frontier Economicsのエネルギー専門家の試算では、ドイツが多様なエネルギー資源の組み合わせ(エネルギーミックス)を達成しようとした場合、2050年までにCO₂ニュートラルになることができ、完全な電動化と比較して3,000億ユーロの節約になるとされます。このシナリオでは、環境にやさしい電気は間接的に利用されます。その一部は水素の生産に使用され、生産された水素はCO₂と合わせて使用されて合成燃料が作られるのです。これには長所も短所もあります。このような方法で水素を作ると約25%のエネルギー損失が生まれます。そしてプロセスが追加されるたびに電気から得られるエネルギー量がさらに減少し、最終的にエネルギーは燃料内に蓄積されたままとなります。ただし、大きなメリットもあります。合成燃料は既存の内燃エンジンでも先進技術による内燃エンジンでも使用できるという点です。合成燃料は従来のガソリンやディーゼルと混ぜることが可能で、時には技術的な修正が不要な場合もあります。また、確立されたグローバルな燃料ステーションネットワークもすでに存在します。
ZFでは、考えられる将来のモビリティシナリオすべてに対応できるようにするため、テクノロジーに対してオープンなアプローチをとっており、 専門知識、特にシステムソリューションの分野の専門知識を提示しています。

ZFのテクノロジーによる排出削減の6つの例

1. 可変mSTARSアクスルコンセプト

1. 可変mSTARSアクスルコンセプト

使用されるエネルギーアキュムレーターの種類にかかわらず、 mSTARS アクスルコンセプトと内蔵電動ドライブは、ハイブリッド、燃料電池、バッテリー駆動の乗用車に使用することができます。また、mSTARSは、標準的なドライブモジュールでの使用にも適しています。
© ZF
mSTARSには、電動モーター、トランスミッション、デファレンシャル、パワーエレクトロニクスが組み込まれています。

2. 先駆者としてのプラグイン・ハイブリッド

2. 先駆者としてのプラグイン・ハイブリッド

ZFはテクノロジーに対してオープンなアプローチをとっており、電動ドライブにも注力しており、 ハイブリッドモジュールプラグイン・ハイブリッド・トランスミッション および ドライブシステム を完全電気自動車向けに提供しています。特にプラグイン・ハイブリッドは大きな可能性を秘めています。比較的小さなバッテリーでコストも低いプラグイン・ハイブリッドは、電気での駆動も可能です。また、CO₂の観点あるいは「削減グラムあたりのユーロ」という意味でも、高い効果があります。実績の高い8HPデュアルクラッチ・トランスミッションを基盤とするZFのプラグイン・ハイブリッド・トランスミッションは、すでに市場に出荷されています。プラグイン・ハイブリッド・トランスミッションはトランスミッションと電動モーターが組み合わされたもので、一例として、ポルシェの新しいパナメーラにも組み込まれる予定です。
© ZF
高度に統合されたZFのプラグイン・ハイブリッド・トランスミッションは純粋な電動走行も可能

3. 商用車の効率化

3. 商用車の効率化

CO₂ニュートラルを達成するうえで、商用車は大きな課題となっています。ZFはすでに、路線バス向けにAVE 130ポータルアクスルと CeTraxセントラルドライブを、ディーゼルエンジンに代わる電動コンポーネントとして提供しています。最大出力は300kW(480馬力)と、ディーゼルエンジンにひけをとりません。内燃エンジン搭載の商用車の燃料消費とそれに伴う二酸化炭素排出が、効果的に削減されます。多くのトラックおよびバスの製造者は、効率の高い TraXon トランスミッション搭載の大量生産トラックやバスをすでに備えつつあるか、100kW(136馬力)電動モーターのハイブリッドという選択肢を検討しており、高い成果をあげています。トラックでは、通常の長距離輸送サイクルでガソリン消費が約5%低下しました。
© ZF
CeTraxは、用途にかかわらず路線バス向けの理想的なEモビリティソリューション。

4. 軽量コンポーネントのパワフルな影響

4. 軽量コンポーネントのパワフルな影響

ZFの軽量コンポーネントもCO₂排出を削減します。特に商用車では高い貢献率を示しています。第一歩として、各機能を従来のリアアクスルデザインに統合することで、関連コンポーネントの重量が約120kgから60~70kgまで小さくなります。軽量のデザインと材料が要求される場合、この値はさらに約35kgまで小さくなることがあります。トラックの寿命は一般的に長いため、このような措置はすぐに採算が取れるでしょう。軽量化は、最大積載量の面でもメリットをもたらします。これは、各トラックがより多くの商品を輸送できること、最終的には路上のトラックの数を減少できること、そしてその結果、排出ガスを削減できることを意味します。

5. モジュラー式コンセプトによる規模の経済

5. モジュラー式コンセプトによる規模の経済

「ZFは、可能な限り多くの基本的テクノロジーを使用することを目指しています」と、ZFのEモビリティ・システム・ハウス責任者であるバート・ヘルヴィッヒ(Bert Hellwig)は言います。この一例が、自動運転車両のe.GO Moverです。これは、ZFと、アーヘンに拠点を置く新興企業e.GO Mobile AGの間の協力のもとに生み出されました。ZFグループは、商用車向け電動ドライブで使用される制御ソフトウェアを独自で開発しました。これは、モジュラー式コンセプトおよび同一コンポーネントを使用したZFの総合的な製品ポートフォリオで、規模の影響をいかに利用できるかを示す一例です。これは、電動ドライブのコスト削減を支援するもので、環境保護と経済性を組み合わせて電気自動車の市場シェア拡大を目標とするのであれば、重要な前提条件です。

Openmaticsとのコネクテッドモビリティ

Openmaticsとのコネクテッドモビリティ

CO₂排出削減の最も合理的な方法は、ルートを可能な限り短くして効率化することです。オープンなOpenmaticsテレマティクスプラットフォームは、これを支援します。このプラットフォームには、多様なアプリをインストールすることが可能です。アプリにより、ユーザーは、車両フリートの概要を確認し、一元的にルートを調整し、消費を生んで分析を読み込むことができます。製造者は、このようなデータを使用して、車両の重量に応じてドライブラインの制御を最適化できます。将来、このシステムでは、その能力を活用した電動ドライブのバッテリー管理も可能となる予定です。Openmaticsのジェネラル・マネージャであるトーマス・ローシュ(Thomas Rösch)は、非常に人間的要素にも目を向け、次のように語ります。「当社のお客様のうちの1社では、車両データが送信されていることがドライバーに知らされ、燃料とCO₂だけで4%削減しました。これは、ドライバー達が非常にしっかりとした規律をもって、より前向きに運転をしていることを意味します。」
確かなことが1つあります。人間が行う作業の場合、温室効果ガスができるだけ排出されないようにすべての者がそれぞれの行動に自ら注意を払う時にこそ、環境に配慮した持続可能な作業となるのです。ZFでは今後も、このような目標を達成するために必要なテクノロジーに取り組んでいきます。

CO₂排出削減のための3つの賢明な考え

記事要約: 世界的に経済成長が進み生活水準が高まる中、専門家は、2040年までにエネルギー需要が28%上昇すると予測しています。気候変動に歯止めをかけるには、CO₂の排出を削減しなくてはなりません。ZFは、テクノロジーと製品を通じて、モビリティにおけるゼロ・エミッションという目標達成に貢献します。特に、乗用車と商用車のドライブラインの電動化、軽量コンポーネントの使用、コネクテッドモビリティ・コンセプトが消費エネルギーの節減と、それによる温室効果ガス排出の削減を可能にします。

関連トピック