第1回 受賞チームによる 設計・開発レポート
2014年全日本学生フォーミュラ大会ベスト・サスペンション賞受賞車両3車の設計と開発・実戦レポート
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かつてFormula SAEの創設メンバーの一人であり、それ以前は自らレーシングカーを運転し、開発した名エンジニアのCarroll Smithが著した「Prepare to Win]」「Drive to Win」「Tune to Win」「Engineer to Win」のシリーズ、そして「Carroll Smith's Nuts, Bolts, Fasteners, and Plumbing Handbook」は、'80年代の競技車両設計者たちにとって、クルマを考え、作る時の"バイブル"となっていた。この中で「Tune to Win」のみ和訳されている(「実践的マシンチューニング」グランプリ出版)。これらはいずれも現在では入手が困難である。日本では'70 年代に軽自動車のパワーパッケージを使った小型フォーミュラカー(フォーミュラ・リブレのカテゴリー)が生まれ、その設計の進め方を順を追って紹介する企 画が、モータースポーツ専門誌に掲載された。これも今、Formula Studentのマシンを考え、設計する際には非常に参考になるものだが、この活動に関わる学生諸君を含めて今日の人々がそれを目にする機会はほとんどな い。一方、世界的に盛り上がりをみせるFormula SAE=Formula Studentであるが、そのマシン企画・製作・実走開発にあたって参考になる文献、書籍はほとんどないのが実情である。もちろん、基本的な原理や運動力 学、構造力学などについては、大学で履修する内容がそのまま適用できるし、自動車工学の基礎も同様である。しかし「競技専用車両」のコンセプト・メイキン グ(FSに求められる「革新性」を含めて)からその具体化、実走に至るまでのプロセスの中では、それらの「教科書」には書かれていない発想法が、そして実 践的思考が必要となる。そこで、現代の自動車技術やモータースポーツのバックグラウンドに即した「何をどう考えれば、より良い成果が期待できるか」を読み解くもの、こうした競技車両の企画・設計・製作・開発の様々なステージに分けて解説する。読者が自ら考え、作る面白さをさらに高めていただきたい。
2014年全日本学生フォーミュラ大会ベスト・サスペンション賞受賞車両3車の設計と開発・実戦レポート
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続きを読むどんな製品でも、新しいモノを生み出す時の出発点は「コンセプト」にある。コンセプト、すなわち「何を求め、実現するか」について解説する。
続きを読むコンセプトが、製品において實現する資質を描き出すものであるとすれば、それを前提にして、具体的な「モノとしての姿」を形作ってゆくプロセスが「パッケージング・レイアウト」である。
続きを読むその1:タイヤと車両運動の関係 「サスペンション」とは何か? 最も簡潔に言えば、それは「タイヤと車体をつなぎ、相互運動を作り出すメカニズム」だということになる。今回はそのタイヤと車両運動の関係について解説する。
続きを読むその2:基本機構と力学的特質 良い脚を持つクルマほど車体に伝わる路面・タイヤからの振動特性(俗に言う乗り心地)はマイルドなものになる。これも基本セオリー。今回は、そうした原理原則を頭に置きつつ、ミニ・フォーミュラカーの「脚」について、まずはその基本構成から検討してみることにしよう。
続きを読むその3:サスペンションのリンク・レイアウトサスペンション・デザインについての三話目は、車体と車輪を連結する「リンケージ」に関して解説する。
続きを読むその4:サスペンション機能要素設計の考え方サスペンション・デザインについての四話目は、サスペンションを形作る機能要素の設計について、それぞれにどうあるのが好ましいかを考える。
続きを読むその5:ステアリング・ジオメトリーとその検討サスペンション機構のレイアウトを固めてゆく中で、必ず目を配らなければならないのが「ステアリング機構とそのジオメトリー」である。その基本としてまず、操舵系の幾何学、いわゆるステアリング・ジオメトリーについて確認しておこう。
その1: アライメント・セッティング車両の最終組み立てが完了し、動力機構、ブレーキ・システム、操舵機構など各要素の作動確認が終わったら、走り出す前に必ずやっておくべきことアライメント・セッティングについて解説します。
続きを読むその2:車両運動の基礎特性を測る・知る。マシンが組み上がりエンジンに「火」を入れ、「動く」ことを確かめる。そこからはひたすらサーキット・コースを走り込む…では、自動車の『開発』にはならない。新しい車両が走り出す前にひとつひとつ確かめてから進むべきことについて解説します。
続きを読むその3:マシンをセットアップする。『競技車両のプロトタイプ』としてのマシンが完成し、現実に「走らせる」段階に入ったら、そこからは「トラック・エンジニア」を核とした実車開発・実戦チームの仕事が動き出します。実戦の場で最適セッティングを導き出す重要なポイントについて解説します。
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