ZFのモータースポーツ、その現場からPart.2

みなさん、こんにちは。私はZFの子会社で、モータースポーツ製品の開発を行っているゼット・エフ・レースエンジニアリング社(正式名称ZF Race Engineering GmbH、略称ZRE)のノルベルト・オーデンダールと申します。

2000年にZFに入社し、海外市場や自動車メーカー向けの販売・マーケティング部門に勤務した後、2010年にZREのCEOに就任しました。前回この特集に登場した、モータースポーツのスポンサーシップを統括しているノーディングと同じく、私のオフィスもドイツのシュバインフルトにあります。

1998年に設立されたZREは、レーシングカーおよび高性能車両向けのドライブラインとシャシシステムの開発、設計、生産を担っています。本社と、アメリカのミシガン州にあるZF Race Engineering North America社で約90人が働いています。

ZFグループの充実した研究開発施設を活用し、F1からストリートカーまで、幅広い車両向けの製品を提供できるのが当社の強みです。

技術・製品の供給はもちろんですが、各種のサポート活動も充実させる事でZFグループが世界各国の自動車メーカーおよびレーシングチームにとってのベストパートナーとなれるよう、日々、業務に取り組んでいます。欧州やアメリカではF1、DTM、ポルシェカップから学生フォーミュラまで、年間70以上のレース会場でZREのサービストラックとエンジニアがスタンバイしています。

日本でも、サービスパートナーとして長年お付き合いを頂いている株式会社アネブルがSUPER GTなどの現場でサポートを行っています。また、ドイツはもちろんですが、イギリス、フランス、イタリア、オーストリア、スペイン、フィンランドといった欧州各国に加え、オーストラリアやブラジルでも現地のエンジニアリング企業とパートナーシップを結び、きめ細やかなサービスを行っています。

また、ZRE本社にある各種試験装置は、レーシングチームなど当社のお客様にも活用いただいています。主なものでは、台上で加振試験を行う事で耐久性のテストやサーキット・シミュレーションができる「サーボ・ハイドロリック・テストリグ」や、縦方向の動きに関するシミュレーションおよび解析を低コストで実施し、セッティング課題の解消を可能にする「6ポスト・テストリグ」、毎分9,000 回転、最大トルク1,120 Nmまで対応可能なクラッチ用テスト設備などがあります。

ル・マン24時間レースを含む世界耐久選手権(World Endurance Championship: WEC)に参戦しているトヨタレーシングとは2013年よりテクニカルパートナーシップを結び、レース車両向けクラッチシステムの開発を行っています。

フォルクスワーゲン・モータースポーツには、世界ラリー選手権(World Rally Championship: WRC)に参戦する「ポロR WRC」に搭載されているクラッチおよびダンパーを提供しています。

また、ZFがオフィシャルパートナー契約を結んでいるSUPER GTでは、2014年シーズンからGT500クラスに参戦するレクサスとニッサン・ブランドの全車両が当社のレーシングクラッチ・システムを使用しています。これは、ドイツ・ツーリングカー・マスターズ(Deutsche Tourenwagen Meisterschaft)で実証された性能、耐久性、メンテナンス性の高さなどが認められた結果です。

そのほか、F1やニュルブルクリンク24時間、ダカールラリーなどの世界的なレースから各種ワンメイクシリーズや入門カテゴリーまで、ZREのサスペンションおよび駆動系パーツは世界のモータースポーツで活躍しています。

ZFグループは、効率、安全、自動運転といった自動車業界の「メガトレンド」に対応すべく、革新的な技術・製品の開発に努めています。ZREでも、昨年ZFグループに加わったZF TRWが持つセンサー技術を活用し、インテリジェントダンピング(自動でショックアブソーバの減衰力を調整する)システムのモータースポーツへの転用を進めています。

また、プレミアムブランドのクルマに採用されている8速オートマチック・トランスミッション「8HP」のレース用ユニットを開発しBMWが行っているワンメイクレース「M235iカップ」用車両に供給しています。さらに、次世代のモータースポーツとして注目を浴びている「フォーミュラE」向けの駆動系コンポーネンツの開発も行っています。

ZREではこの様に、幅広いモータースポーツ活動を通して先進技術の開発と、製品の信頼性向上に取り組んでいます。オフィスでの仕事に加え各国のレース現場に出張する事も多く、シーズンが始まると特に忙しい毎日ですが充実した時間を楽しく過ごしています。

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