ZFのモータースポーツ、その現場からPart.3

ZFジャパン・モータースポーツ・ウェブサイトをご覧のみなさん、はじめまして。私はペーター・ライポールドと申します。英語式に発音すると、ピーターですね。前回社長のオーデンダールから紹介のあった、ZFレースエンジニアリング社(正式名称ZF Race Engineering GmbH、略称ZRE)で駆動系のエンジニアをしています。

大学で宇宙工学を勉強した後、研修生として親会社のZFで1年ちょっと働き、2014年の1月にZREに採用されました。大学の専攻とは少し違う分野でしたが、もともとクルマとモータースポーツが大好きだったので迷わず就職を決めました。

モータースポーツの中でも、個人的にはたくさんの先端技術が搭載されている現在のWEC(世界耐久選手権)に一番興味があります。その他には、複雑すぎるレギュレーションなどがない「GTマスターズ」やオーストラリアで開催されている「V8スーパーカー」はエキサイティングで面白いシリーズだと思います。 仕事を離れた時には、学生フォーミュラの組織委員リーダーを務めたり、地元のアマチュアクラブでサッカーをしたり、旅行、バイク、スポーツ全般を楽しんでいます。

ZREでの現在の業務では、ポルシェのストリートカーに採用されているダブルクラッチ・システム「PDK」やスポーツカー向けの電気駆動システムの開発プロジェクトを統括しています。また、モータースポーツ専用製品では、ZFのプレミアムブランド向け8速オートマチックトランスミッション(AT)である「8HP」を基にした、「8P45R」というATの開発から製品化、更なる熟成までを担当しています。

エンジニアではありますが、開発や設計だけでなく統括責任者として予算や経費の管理から資材の調達まで、プロジェクト全体のマネージメントを任されています。まだ正式入社から2年半、やっと31歳になったばかりですが、大きな仕事を任せてもらい責任と共にやりがいをとても感じています。

「8P45R」は現在、BMWが行っているワンメイクシリーズ、「BMW M235iカップ」の全車両に採用されています。当初は、耐久性、シフトスピード、駆動力伝達効率などの面でモータースポーツには向かないと言う意見が多かったATですが、ヨルグ・ミュラー選手などBMWのレーシングドライバー陣に開発への協力を頂き、その性能にはお墨付きをもらっています。

現在の仕様は、市販車用の「8HP」をそのままに、制御プログラムなどに変更を加えただけのものをモータースポーツで使用しています。世界一過酷なレースといわれる「ニュルブルクリンク24時間」に今年出場したM235iでは、トランスミッション関連のトラブルは全く発生せずに走り切る事ができました。次のステップとして、内部のハードウェアに改良を加えた製品を新たに投入する計画も進んでいます。さらに高性能なレース用トランスミッションを、一般のみなさまも含め、より多くのみなさんに楽しんで頂けると嬉しいです。

ZREで働いていると、ZFグループ全体のノウハウや研究・開発設備などを活用できる大きなメリットを感じます。一方で、モータースポーツに必要とされる迅速な意思決定や仕様変更などへの柔軟な対応力に優れるのがZREの特徴だと思います。

正直なところ、プロジェクト全体を取り仕切っていると、部署間や会社間での考え方や物事の進め方などの違いからストレスを感じる事もあります。でも、向かっているゴールは共通なので、意見の食い違いがどこにあり、それを解決するためにはどうすればいいのかを話し合っていけば自ずと答えは見えてくるものです。

こうした経験をさらに積んでいき、将来的にはZREの駆動系部門全体を取り仕切る事ができる様な知識とスキルを身につけたいと思っています。高性能ストリートカーとモータースポーツ向け製品・技術に関わる仕事にたずさわる事ができたおかげで、時にはレースの現場にも行きながら、とても充実した生活を楽しんでいます。みなさんとも、どこかのサーキットでお会いできるのを楽しみにしています!

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