ZFのモータースポーツ、その現場から PART.5


ZFジャパン・モータースポーツを見て下さっている日本のみなさん、こんにちは。ZFレースエンジニアリング社(正式名称ZF Race Engineering GmbH、略称ZRE)でモータースポーツや高性能ロードカー向けショックアブソーバを担当している、ダニエル・ハインと申します。前回のマーカス・ハマーがクラッチ、その前のペーター・ライポールドがトランスミッションをご紹介したので、今回はZFのもう一つの強みであるシャシ製品・技術について私がお話させて頂く事になりました。どうぞ、よろしくお願いします。

私は、自動車業界向けの試験装置を造る会社で設計の仕事に携わった後、2011年ZFに入社して4年間、「CDC」と呼んでいる連続減衰力可変ダンパーの開発を担当しました。2014年の11月からZREに異動して主に少数生産の高性能ロードカー向け「ザックス・パフォーマンス」ダンパーの設計、テストおよび販売のプロジェクトマネージャーをしています。

このコーナーに登場した同僚たちと同じく、私もモータースポーツが大好きです。それぞれ違った面白さがあるので、色んなカテゴリーに興味があります。ツーリングカー・レースやラリーは、ベース車両のイメージや性能を基にしながら、それぞれ独自の開発が施されている面白さがありますね。一方で、F1やWEC、最近始まったフォーミュラEなどはレースのためだけに開発されたマシンがしのぎを削るエキサイティングなシリーズです。とにかく、マシンのデザインやテクノロジー、スピードと、それを操るドライバーのテクニックなど、レースにはたくさんの魅力を感じます。


お休みの日にもモータースポーツ観戦をしたりレースのTVゲームを楽しんだりします。その他には、地元のサッカーチームのコーチをしたり、家の改装などDIYをしながら、彼女とのデートも楽しんでいますよ。

ZREに異動を希望したのはモータースポーツが好きだと言うのも一つの理由でしたが、ここでの仕事にはそれ以上に大きな魅力があるんです。モータースポーツ用のマシンや少数生産の高性能モデルに採用されるパーツの開発においては、細かな要求に迅速かつ柔軟に対応することが求められます。同時に、ZREでは少人数でプロジェクトを進めるため、それぞれのエンジニアが自分の担当領域を全て把握していなければなりません。従って、私の場合はショックアブソーバという製品・技術の開発において、オールラウンドなエンジニアになる貴重な経験をたくさん積む事ができるんです。

プロジェクトによっては、ZFグループのいろいろな地域の様々な部署と連携を取りながら仕事を進めるケースもあります。また、要求性能の高い製品の開発に携わるチャンスが多く、優秀な同僚から学ぶ事もたくさんあるので、自動車のシャシエンジニアとしての知識や経験を増やすにはZREは理想的な職場だと思います。

今在は、モータースポーツ用のプロトタイプ(試作)ダンパーの開発や、「ザックス・パフォーマンス」シリーズのコイルオーバー(ダンパー)システム(= スプリングとダンパーが一体になったシステム)、電気自動車向けダンパーなどに取り組んでいます。こうした少数生産の新しいビジネスモデルを創りだす場合は、ZREのシャシ部門全体を巻き込んで進めて行かなければならず、大変な事もたくさんあります。でも、苦労して完成させ納めた製品に、お客様が喜んでくれた時は本当にうれしさを感じます。また、日々の業務を通じて同僚たちの熱心さややる気を感じると、「僕も頑張らないと!」と大いに刺激を受けます。

将来は、シャシ部門のトップになって、何か全く新しいビジネスを一から立ち上げてみたいですね。日本のみなさんも、もっともっとクルマやモータースポーツを好きになってください。エンジニアに興味のある方は、是非、自分の直感を信じて楽しいと感じる事を突き詰めてみてください。困難にぶつかっても、好きな事をやっていれば必ず壁は越えられます。それから、常に新しいものに興味を持つ、オープンなマインドを持ってください。将来、同じエンジニアとして、どこかのサーキットやテストコースでお会いできたらいいですね。